数学ミステリー X教授を殺したのはだれだ! 容疑者はみんな数学者!?
読んだきっかけ
書店の店頭で見かけて、マンガ形式で読みやすそうだったので、数学ミステリー X教授を殺したのはだれだ! 容疑者はみんな数学者!?を読んでみました。講談社ブルーバックスにしては薄い本だったので、すぐ読めそうな印象でした。
期待した内容と実際
マンガ形式で読み進められるので、さっと読める感じです。数学の問題部分は別にすると、1時間ぐらいで読めると思います。数学の問題は、中学校や高校で学ぶ内容がいくつか紹介されていました。図形や方程式の問題で、図形の合同・相似から、二次関数の最小値あたりまでカバーしています。問題数としては少ないので、バリバリ問題解きたい人向けでは無いですが、中学校や高校の復習にはちょうど良いぐらいの難易度でした。
ミステリー部分は、数学基礎論について知っていれば、それほど難しいものではないと思います。しかし、数学基礎論を知らないで、書籍の記述だけでは難しいのではないかな、と思います。個人的にはこの結末が面白かったのですけど。なのでミステリーとしての評価はしずらいですね。
ネタバレになりますが、「私たちは知らなければならない。私たちは知ることになる。」が誰の言葉であるか、などは数学に興味持っていないと知らないのでは、という気がします。そしてキーになるのがゲーデルの不完全性定理ですから、中学生・高校生には難しいかもしれません。
予想外の収穫
書籍の後のほうでは、登場する数学者について、少し紹介がありました。この本をきっかけとして、興味を持った数学者の実績をきちんと知る、という風に、進むと良いかな、という印象を受けました。ソフィ・ジェルマンやエヴァリスト・ガロアのエピソードは、もっと知りたくなると思います。今まで数学に興味を持たなかった人が興味を持つきっかけになるかもしれません。中学校や高等学校の数学の副教材・副読本として、この本は凄く良いかもしれないと思いました。
また大人になって、数学を学び直したい、というような方も、この本のように読みやすく、内容も平易なものからスタートするのも良いかもしれませんね。
欲を言えば、この本を読んだ後、どの本に進んだらいいか、などがあると良かったかもしれません。アイザック・ニュートンとゴットフリート・ライプニッツから微分積分、レオンハルト・オイラーからグラフ理論、といったように、さらに勉強したい人向けの道しるべがあるとよいかもな、と思いました。
読んだ後の行動
入門者向けの書籍はマンガが良いかもしれませんね。私も書籍を執筆するときに、図やイラストを多くする、という工夫はしました。次回、書籍を執筆するときは、マンガで説明する、も入れれると良いかな、と思いました。
書評記事著者: 水野史土
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