京都大学人気講義 サイエンスの発想法――化学と生物学が融合すればアイデアがどんどん湧いてくる
読んだきっかけ
「京都大学人気講義 サイエンスの発想法――化学と生物学が融合すればアイデアがどんどん湧いてくる」上杉志成著を読みました。「京大式 おもろい勉強法 (朝日新書)
」山極寿一著を以前買ったのですが、この書籍の関連商品として出てきたので読んでみることにしました。
書籍では、生化学の突っ込んだ話は少ないので、大学生には物足りないかもしれません。とはいえ、高校で生物と化学を履修していないと、少し難しいかもしれません。理科系への進学を考えている高校生にはぴったりかもしれません。このような本を高校時代に私が読んでいたら、化学系の専門に進んだかもしれないな、と思いました。
期待した内容と実際
タイトルが発想法だったので、化学の詳細な話よりも、発想法の話を期待していました。書籍の中では、scamperが紹介されていました。アルファベットの頭文字をとったものです。それぞれ
- substitute 取り替える
- combine 組み合わせる
- adapt 適用する
- modify,magnify,minify 変化させる、拡大する、縮小する
- put to other use 他に利用する
- eliminate 取り除く
- reverse,rearrange 逆にする、順番を変える
をあらわします。具体的な例は書籍を読んでもらうと分かりますので、ここではあげませんが、生化学に限らず、さまざまな所で活用できそうです。もちろんビジネスにも使えそうですね。
やみくもにアイデアを出そうとするのではなくて、scamperのような視点を持っていると、アイデアを出すのに効率が良さそうです。
予想外の収穫
「選抜を勝ち抜いた者はどうすべきか」という話がありました。
この講義の元は、京都大学での講義で、定員40人しかありません。履修希望者から40人が選抜されます。
「落ちた人がかわいそうだと思う気持ちがあれば、そのエネルギーを自分が活躍するための努力に使いましょう。」
という回答になっていました。
大学の講義に限らず、これは重要だな、と思いました。自分ができることを見極めること、そしてそれをしっかり行っていかないといけないですね。
それ以外にも、雑学ネタとして面白い話もありました。スクラロースができたのは、研究者がtestingとtastingを聞き間違えたから、化合物をなめてみた、そしたら甘い味だった、など。
読んだ後の行動
scamperを使ってみます。全く新しいものを生み出すのは凄いことですが、既存のものをscamperで見直すと、様々な気づきがありそうです。
まずは自社の製品・サービスをこの視点で見直してみようと思います。
本の種類
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