傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

読んだきっかけ

アマゾンでkindle(電子書籍)版が安くなっていたので、「傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~」(夏井睦著)を購入しました。紙の書籍の出版は2009年らしいです。キズに対して、湿潤療法という方法を提唱しています。

期待した内容と実際

湿潤療法についての解説

湿潤療法については、耳にしたことはあったものの、実際にどのような治療法なのかは知りませんでした。ちょうどいい機会でしたので、この本で読んでみました。

湿潤療法とは、

  1. きれいな水で傷口を洗い流す
  2. 汚れがあればふき取る
  3. 怪我した箇所を乾燥させないように、覆う

というものです。覆う材料は、専用の被覆材もありますが、手近にない場合は食品包装用ラップで代用してもよいらしいです。ドラッグストア等では、キズパワーパッドといった名称で売られていることがあります。

病院との使い分け

湿潤療法で治癒するキズも多いのですが、以下のような場合は病院受診を推奨されています。

  • 創面に砂や泥が入り込み、汚染されている場合
  • キズが深い場合
  • 治療の途中で発熱(38度台の熱)があったり、創部に痛みがある場

予想外の収穫

医学の常識とパラダイム

私は子供の頃、「怪我したら、傷口を消毒する」という経験をしました。他の人もおそらくそうだと思います。そのとき、「なぜ傷口を消毒するのか」について考えたことはありませんでした。私だけでなく、医者の方にとっても、そうだったようです。

擦り傷のようなキズは、他の怪我と比較すると軽症なことが多いこともあってか、擦り傷を専門にする医師がほとんど居ないらしいです。そのせいもあってか、「なぜ傷口を消毒するのか」についてきちんと議論や研究がなされていなかったらしいです。

医学というと、素人目には、研究が活発に行われていて、どんどん改良されている、という印象だったのですが、そうでない部分もあるようです。当たり前に思えることでも、正しいのかどうか確認してみる、という態度が重要なのだな、と考えさせられました。

大病院ほど、取り入れにくい

個人開業医であれば、医師本人の判断で、即座に湿潤療法を取り入れることができます。一方で大きな病院であれば、医師も複数居る為、一人が湿潤療法を取り入れたくても、他の人が乗り気でなければ採用できない、というケースもあるようです。

著者のウェブサイトに、湿潤療法を取り入れている医師のリストがありますので、外来受診時に参考にされると良いかもしれません。

読んだ後の行動

家庭の治療としては、湿潤療法に必要な被覆材を、救急箱に常備しておくことにします。


書評記事著者: 水野史土

  • 食品通販サイト運営代行
  • BMI22エンジニア

主な著書

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  • 徹底攻略 PHP5技術者認定[上級]試験問題集
本の種類
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