読んだきっかけ
書店の店頭で見かけたので、「XY」(徳永圭)を読みました。きっかけは書店ですが、同著者の「片桐酒店の副業 (角川文庫)」が面白かった、というのも理由の一つです。
以下はネタバレも含みます。ご注意ください。
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タイトルのXYですが、ヒトの性染色体はXとYで、XXだと女性、XYだと男性になります。遺伝子が関わる話ですが、XとYの文字の形に着目したのは凄いなと思います。
- Xは二本の線が交差し、また分かれる
- Yは二本の線が合流して一つになる
あらすじは、
- 商社勤務の宗谷聡子が弁理士の堂島と出会い、恋に落ちる。
- しかし結婚は叶わない。でも子供がほしい。
- 堂島に内緒で精子を取得し、体外受精で妊娠する。
- しかし妊娠した子供は堂島の子供なのか...
というお話です。
体外受精という点では、「ジーンワルツ」(海堂 尊)も面白かったです。
期待した内容と実際
聡子は道徳や倫理より自分の欲望を優先させるので、怖い側面もあります。でも、それだけ人を愛せること、結婚できなくても子供を生み育てる決意は凄いと思います。自分が当事者ならそういう行動をとってもおかしくないだろうな、とも思います。私がリチャードドーキンスの本をよく読んでるからかもしれませんが。
書籍の帯などでは「どんでん返し」と書いてあったので、予想しながら読んでいきました。各章の末尾の日記は聡子のものではないだろう、と考えれば、犯人(という呼び方が適切かどうかは分からないですが)の日記であろう、と。そう考えれば、犯人は予測できます。(ただ犯人が具体的に何をするのかまでは予想できませんでした。確かに犯人の職業を考えれば、そういったことができますね。)
予想外の収穫
凄く悲しい結末かと思ったら、犯人の企みは阻止されて、聡子の思い通りになりました。犯行のその後は私は全く考えていなかったので、そこが凄く印象に残りました。終章では聡子と、聡子の娘のあかねの対話になります。聡子の行動が倫理的にどうか、という問題はありますが、聡子とあかねの会話が良い感じだったので、子供を生んで育てることって凄いことだな、と感じさせられました。本編が結構ダークな話だったのですが、最後がこういう締めでよかったと思います。
読んだ後の行動
動物行動学は、学生時代には結構学んだのですが、卒業後は離れてしまっていました。動物行動学関連の本を読んでみようかなと思います。
また、動物の実際の生活を上手く見せているという噂の旭山動物園(北海道旭川市)にも一度行きたいな、と思います。
本の種類
書評記事著者: 水野史土
- WordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。[第2版]
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